米寿のお祝い

7月18日、毛谷黒龍神社のおばあちゃんの88歳を祝う、

米寿のお祝いがユアーズホテルで執りおこなわれました。

 

二十歳の頃に京都から毛谷黒龍神社に嫁いで68年の歳月

を迎えました。戦前より福井空襲や福井地震、激動の時代

から神社をかげからささえてきたおばあちゃん。おばあちゃんと

交わすいつものなにげない想い出話のなかには、歴史の生き

証人ともいえる深く感じさせられる大切なものがたくさんあります。

 

ひとつのエピソード※

「今年の夏は暑いね~。京都の祇園祭もたぶん暑いやろうの~。

私も福井にきてもう68年目やけど、毎年この時季になると京都の

祇園祭を思い出すね。祇園祭になるとお母さんがきんちゃく寿司を

作ってくれてなー、それを姉ちゃんや家族で食べるのが好きやった

んや。八坂にいたときのいい想い出やった・・。昭和18年に福井へ

きてなーその2年後に福井空襲があったんや。お昼ご飯の仕度

したら空襲警報がなってな、B29の飛行機が飛んでくる音がわかっ

たんや。私の旦那のお父さんと神社のうしろに隠れ逃げたんやわ・・。

そしたら数分もたたんうちに飛行機の大群がきて焼夷弾をおとした

んや。もう神社の前の道でバーンバーンって弾ける音がひどくてな、

ちょうどその頃うちの旦那(前宮司:山本治)が福井神社の当直の

日でな、福井神社の御神体をおんぶして黒龍神社のうしろに走っ

てきたんや。お父さんが「治、よくやった!よくやったな!!」って

泣きながら旦那を讃えなってな。あとで聞いたら治さんは生まれて

初めて神主として先代のそのお父さんに本気で褒められたんやっ

ての~。爆弾が落ちてくるなかを、神様をおんぶして県庁のところ

からこの神社まで走ってきなって、神様を燃やしてはならんという

神主としての心にお父さんも、神社のうしろに一緒に避難していた

近所の人も、ひどく喜んでなったのー。それがあって「戦争なんか

に負けてなるものか」って不安だった気持ちが復興の負けん気に

なってなー。一晩神社のうしろで過ごして朝境内からあたり見回

したら福井市内なんにもなかったよ。ここの神社は山の際にある

からかの~焼けんかったんよ。神社社務所の前に大きな銀杏の

木があってその銀杏の木が水を噴いての~、福井神社の神様を

黒龍さんの本殿に合祀しての、だからここの神様も、福井神社の

神様も焼けてない神様やから大事にせなあかんのやよ。いまの

神主さんたちがそうゆう歴史を知っているかはわからないけれど、

本当に大変な時代やった・・。」「なにもない状態から福井の人は

バラックで家を建ててあるもので耐えながら徐々に復興していった。

福井の人はすごい頑張ったんよ。ここの神社の社務所も5組の

戦災を受けた家族が1~2年住んでなって、みんな助け合って

生活してた。5歳くらいの男の子がおしっこもらしてお母さんに

ひどい叱られてたの覚えてるよ。足羽川で洗ってきなさい!って

怒られた男の子はシーツとパンツとバケツもってひとりで足羽川

まで歩いていっての~。でもそのお母さんも小さい子おんぶしな

がらその子の後をそっとついていって見てなったよ。心配やった

やろうけど、昔の人はしつけをちゃんとしてなった。時代が悪くても

生きる人の心はよかったよ。」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

自宅の茶の間でなにげなく交わすおばあちゃんとの会話は、

戦災震災の事や料理のしかた(私も料理作るの好きなので)、

たまに宮司(私の父)の子どもの頃のオイタした話とか、親戚

である足羽神社さんや木田神社さんの歴史的な話など、興味

深い事から面白い話まであり、私自身学生時代、大學のレポ

ートでおばあちゃんの話を題材に論じてランク「A」を戴いたこと

もあったり。いつか色んな話をまとめ、残したいと想っております。

 

米寿のお祝いは、先ず宮司がおばあちゃんのために心のプレゼント

として神社で八十八歳の参賀祭祈願をし、その後、親類が集まって

ユアーズホテルへ移動、米寿を祝う会を身内親類間で行いました。

 

“7月おばあちゃんの88歳の誕生日”

孫一同で誕生日ケーキをユアーズHさんに準備していただきました。

 

“ご年配にもお子さんにも合う料理を提供して頂けました”

 

最後は、みんなで記念写真とひと家族ずつおばあちゃんと

写真を撮り祝宴を修めました。本当に喜んでおりました。

これからの日本も明るくそして家族の絆を深めるべく『祝う』

輪が広がればいいなーと思いました。プラス思考で前向きに・・。

 

“手のひらサイズのお餅”

引き出物にかわせ餅店のつきたて餅と、ユアーズHのドレッシ

ング&鯖缶(←県外の人に人気)セット&ケーキが贈られました。

 

毛谷黒龍神社でも、参賀祭(歳祝い)の祀りを行うことができます。

福井の土地柄として「厄払い」が支流ですが、関東や東北の方では、

還暦以上の歳祝い祈願行っているところが多く見受けられます。

 

形としてはお子さんの七五三参りや十三参りような祈願祭で、

おじいちゃんおばあちゃんのお祝いと健康、長寿を願うお祀り。

日頃の感謝を込めてお祀りすること、御先祖様も見ておられ、

家族運がきっと上がることでしょう。これからの絆と家運龍祥へ。

 

“木田神社のみそぎ”

お祝いとお花を戴いていたので引き出物を届けました。

金岡宮司さんと氏子青年会さんの大祓禊ぎが行われておりました。

 

 

 

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